勝海舟は『氷川清話』で次の通り語っています。
我に四角な箱を造って置いて、この箱に丸い物や三角の物を詰め込むのはご苦労千万な事だ。
執一の定見をもって天下を律せんとするのは、決して王道ではない。
鴨の足は短く、鶴の脛は長いが、それはそれぞれ用があるからだ。
反対者にはどしどし反対させておくのがよい。
そして
今日の是は、明日の非、明日の非は明後日の是といふ風に、一時も休まず進歩すべきものだ。
と言い、そのためには平穏無事ばかりではなく、不平不足を騒ぐ者がある方がよいと語っています。
また、こうも語ります。
人はみな、さまざまに長ずるところ、信ずるところを行へばよいのサ。社会は大きいから、あらゆるものを包容して毫も不都合はない。
「黙ってろ!!」ってどうだろうと思う反面、これも一つの考えかもしれません。しかし民主主義の社会での言論封殺はできる事ならば御免被りたい思いです。