英賀の戦い

小寺政職の織田内通が毛利に伝わると、毛利輝元は5千の兵を姫路南西の英賀(あが)の海辺に上陸させます。
この知らせを受けた孝高は小寺政職に「小勢で大勢の敵と戦うには、敵の不意を衝くしかありません。敵が寄せてくる前に奇襲を行い、運の程をこの一戦に賭けたく考えております。」と願い出ます。政職はもっともな策と同意し、近隣の領民を集めて軍の後ろに控えさせ、大軍を装います。そして政職は孝高の軍を先頭に毛利の軍に突撃します。
まさか小勢で攻撃してくることを想定していなかった毛利の軍は意表を突かれ混乱します。その上、突撃して来た軍勢の後方には多数の旗がひらめき、鬨の声が起こります。これに動揺した毛利の軍は、軍船に逃げ戻ろうとし混乱を極め、小寺の軍に追われ散々に破られます。
これが『黒田家譜』に残る英賀の戦いになります。益軒は孝高を全面に出しながらも、この戦いは小寺政職が中心人物である事を若干控えめながら伝え残しています。