必ず何か一得はあるものだ。

必ず何か一得はあるものだ。

人はどんなものでも決して捨つべきものではない。いかに役に立たぬといつても、必ず何か一得はあるものだ。おれはこれまで何十年間の経験によつて、この事のいよいよ間違ひないのを悟ったヨ。

勝海舟談話集「氷川清話(講談社学術文庫)」より

 


同じく幕臣だった山岡鉄舟も「人にはすべて能不能あり 一概に人を棄てあるいは笑うべからず」という言葉を残しています。鉄舟は、海舟と西郷隆盛の江戸会談に先立って西郷に面会し会談の手はずを調えた人物になります。その時の堂々とした態度と主張に西郷も信頼を厚くしたと言われます。