歌舞伎町のタイガーマスク

東京で仕事をしていた頃、週末には上司や先輩、同郷の友人たちとよく街を飲み歩いたが、やはり一番足を向けた回数が多かったのが新宿・歌舞伎町であった。そんな高級な店には行けなかったが、2次会3次会、始発までバカ話をしながら楽しんだ。

そんな歌舞伎町にはビルとビルの間から突然飛び出し「ガオーッ」と叫び通行人を驚かすタイガーマスクが度々出没した。
初めて遭遇したとき、田舎者の私は「これはヤバイかもしれない、もしかして周りを囲まれぶん殴られ、財布を取られるのかもしれない」と警戒し後ろを振り返ると誰もいない。正面を見返すと何事もなかった様にタイガーは立ち去っていくところだった。4年間の東京での生活で同じような事を幾度も経験した。日によっては同日に2度3度見かけた事もあった。よく歌舞伎町に行ったと自称はするものの月1回のペース、そのペースで度々、タイガーに遭遇したという事はタイガーはほぼ毎週のように歌舞伎町に出没していたのではなかろうか。

最近、久し振りに思い出しWikiで調べると「近年は目撃情報が減少傾向にあり」との事。「減少傾向」という事はまだ現役なんだと自分と照らし合わせながら感慨にふける事となったのである。